絞り
目の悪い人が、目を細めてピントを合わせるように、レンズにも光の量を調整するために何枚もの羽根があります。その羽根を動かして、光が入る穴の大きさを決めます。それを絞りと言います。
F 値(レンズの穴の大きさ)
F2.8 F4 F5.6 F8 F11 F16 F22 ‥‥
と決められています。
またカメラで表示される数字は F4.0 F4.5 F5.0 F5.6 と F4.0 とF5.6の間にも数字がありますが、この数字はF4.0 とF5.6の間の絞りで、昔は1/3 とか2/3と言っていて、F4.0 とF5.6の間の1/3刻みの数字(絞り)です。
開放F値(レンズの穴が一番開いた状態)
EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM レンズ使用
左の写真にあるように、数学が大きくなればなるほど、絞りの穴は小さくなり、ピントが合う範囲が広がりますが、光の量は減ってきます。
また右の写真にあるように、数字が小さくなればなるほど、ピントの合う範囲が狭くなって、背景がボケてきます。後ろが綺麗にボケている写真は数字の小さなF値を選んでいるからです。またそのレンズの穴の一番大きなF値がレンズに表記されています。
ズームレンズの違い
ズームレンズにはF値がF4のように表記されているF値が固定のものと、F3.5−5.6のように表記されているF値が可変するものがあります。
可変F値は前の数字の小さい方が広角側の開放F値で、後ろの数字の方が望遠側の開放値となります。固定F値の望遠レンズは高品質なもので、焦点距離によってF値が変わることはありません。
被写界深度ーピントの合う範囲
絞りを開けるとピントの合う範囲が短くなる。
絞りを絞るとピントの合う範囲が長くなる。
絞りを絞る、開ける
・絞りを絞る → レンズのF値を大きくする
(穴を小さくすること)
・絞りを開ける → レンズのF値を小さくする
(穴を大きくすること)
・開放 → レンズの絞りF値の一番小さい値のこと
(レンズによって最小値は変わります。)
絞りはボケ具合に大きく影響してきますが、広角側と望遠側でも大きく違ってきます。
絞り優先オート(Av. A)
ボケを生かした写真と撮ろうと思ってもカメラまかせのフルオートでは、思い通りには撮れません。絞りを自分で決めて、シャッタースピードをカメラまかせにするオートがあります。
- Av (絞り優先オート) →キャノン・ペンタックス
- A ( 〃 )→ニコン・ソニー・オリンパス・パナソニック
※ 絞り優先オートは絞りに合わせて、シャッタースピードとISO(感度)を合わせくれる。
カメラのモードダイヤルまたはモニターをAv または A に合わせ、絞り数値を選ぶ
- 背景をぼかしたい時は、数値の小さい方を
- 背景までピントを合わせたい時は、数字の大きい方を
まとめ
数字の小さい F2. F2.8. F4...の方が光をたくさん取り込め、背景がよくボケます。また数字の大きい F11. F16. F22...の方は光を取り込める量が少なくなり、背景にピントが合うようになります。
レンズの焦点距離(50mm. 100mm...)によってもボケかたが変わってきます。広角レンズは背景にピントが合いやすく、望遠レンズは背景にピントが合いません。
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