最大撮影倍率
レンズには、それぞれ何センチまで近づけるか、近づいてピントが合う距離が決まっています。それを最大撮影距離といいます。そして最大撮影倍率といって、どれくらいの倍率で写せるのか、レンズの仕様書に書かれています。しかし倍率といってもピンときません。簡単にいいますと、1cmのものをどれくらいの大きさで撮影できるかということです。
0.25倍ならば1cm×0.25=0.25cm つまり2.5mmの大きさでイメージセンサー(受光素子)の中の大きさで撮影できるということです。そしてこの最大撮影倍率の大きいレンズがあり、マクロレンズと言います。
マクロレンズ
マクロレンズと言われるものは、撮影最大倍率がおよそ1倍(等倍)のレンズのことをいい、小さな被写体を大きく撮影するためのレンズのことで、花や虫、フィギュア、ジュエリー等、小さなものを撮影するときに用いられます。また一般的なレンズに比べて、「解像度」が優れていて、細部をはっきり写すことができます。
メモ
50mmのマクロレンズは最大撮影倍率が0.5倍になり、ハーフマクロレンズとも言われています。
上の写真は普通のズームレンズとマクロレンズとの比較をしたものですが、24−105mmのレンズは、これ以上近づくことはできず、もっと近づくとピントが合いません。逆に100mmのマクロレンズは等倍まで近づくことができ、ここまでならピントが合います。ただ、非常に被写界深度が浅いので、ちょっとのことでピントがずれてしまうので注意が必要です。
マクロ撮影の醍醐味の一つは、絞りを開放にして、前と後ろをぼかして、幻想的に撮ることができることです。上の写真は椿の花が開きそうな状態で、中から雄しべと雌しべが見えていたので、椿の中の雌しべにピントを合わせて撮影したものです。
マクロレンズは普通のレンズとして使うことができ、100mmのマクロなら中望遠レンズとして50mmのハーフマクロなら標準レンズとして使用できる、万能レンズです。
メモ
今回使用のレンズはキヤノンEF100mmF2.8マクロで絞りはF2.8の開放で撮影しています。100mmは中望遠と50mm前後のレンズではボケ方も違ってきます。
キヤノンのAPS-CサイズのミラーレスカメラはアダプターをつけてEF50mmやEF100mmのマクロレンズを使用できますが、APS-Cサイズ専用のマクロレンズも発売されていて、EF-M28mmF3.5 マクロIS STM(実質焦点距離44.8mm)です。このレンズは最大撮影倍率が等倍を超え、1.2倍、またレンズ全面にLEDライトを内蔵しています。
またソニーではE30mmF3.5 Macroがあり、最大撮影倍率 1倍(等倍)実質焦点距離45mmで、手頃な値段設定になっています。