カメラの露出計
写真を撮る時に、カメラは光の量を測って、露出を決めてくれます。最近のカメラは内蔵している露出計の精度が高くなっているので、完全な逆光でない限り、極端に明るくなったり、暗くなったりすることはありません。それでもカメラの露出計がいつでも適正露出になるとは限りません。
カメラの露出計は反射式露出計と呼ばれるもので、物に反射している光を測っているので、極端に明るいところがあると、明るさに影響されて暗く(アンダー)なったり、暗いところが多いと、暗さに惑わされて明るく(オーバー)になったりします。
測光モード
そのために、最新のカメラには人工知能による測光モードで、カメラが画面に占める明暗を判断して露出を決めてくれます。しかし、どうしても自分の思い通りにならないことは事実としてあります。
そのような時に、カメラには他の測光モードが内蔵されていて、露出をシビアに測ることができます。
キヤノンのカメラを例に上げてみますと、左上の評価測光は、カメラが撮影シーンに合わせて露出を自動補正してくれる、オールラウンドな測光です。右上の中央部重点平均測光は、ファインダーの中央部を重点にして、全体を平均して測ってくれる測光モードで、フィルム時代のカメラに使用されていました。
左の部分測光は、周辺に逆光等の強い光がある時に、中央部の約6.5%の範囲を測るモードです。左のスポット測光はさらに中央部の約3.2%の範囲を測るモードで、遠いある一部分を図りたい時に用いることができます。これらの測光モードを使い分けることで、様々なシーンで露出をコントロールできます。
今まで、カメラに内蔵されている反射露出計についてお話ししましたが、もっと正確な露出計があります。それは入射式露出計と言って、物から反射した光を測るのではなく、その場の光を直接測るもので、正確に測ることができます。例えば、山の景色を撮影する時、山の天気とカメラ側の天気はほぼ変わることはありません。(雲の影響で変わることもありますが)ですので、カメラ側で測れば、山でも同じ露出となるのです。
プロのカメラマンはこの露出計を持っていますが、プロのカメラマンはストロボの光を測るのがメインなので、ストロボメーターという露出計を持っています。風景を撮るのにストロボはほとんど使用されないという方は、ストロボなしの入射光式露出計もあります。これがあれば更に正確な露出を測ることができるようになります。