日本人にとって桜は特別な花です。私も若い頃桜を撮影したことがありますが、なかなか見た感じより綺麗に撮ることができませんでした。でも最近、少し桜の撮り方が分かってきたような気がします。
桜を綺麗に撮るために
●まず標準ズームの広角側を使った作例から見てみましょう。
<作例1>
桜はとても色が淡いので、青空をバックに撮影すると、花の色が綺麗に再現されます。この時は、陽が照っている桜を選び、カメラが示す数値よりもー2/3 〜ー1 くらいに補正して撮ると、青空も桜も色濃く再現されます。
<作例2>
今度は手前に綺麗な桜のところに寄って、ピントを合わせ、その後ろに桜の花が画面いっぱいになるように撮る方法です。画面いっぱいに桜を入れることに寄って、ボリューム感と桜の花の美しさが表現されます。この時も露出補正はー2/3 〜ー1 くらいにしましょう。
<作例3>
次は、朝日や夕日の斜光時に逆光で撮影する方法です。朝日や夕日は色温度が低いため、赤く(アンバー)なります。その色をオートホワイトバランスを太陽光などにして、赤い色をそのままで撮影すると暖かな雰囲気のあるものとなります。露出補正はモニターやファインダーを見て、思ったイメージに合わせて調整してください。
●標準ズーム望遠側を使った作例
標準ズームは広角から中望遠までカバーしています。ズームを長い方、望遠側にして撮ってみます。
<作例4>
広角レンズの作例であった撮り方と同じように、桜のアップ気味の後ろに桜をぼかして画面内に入れてみました。あくまでメインは手前の桜なので、前と後ろのバランスを考えて撮りましょう。もし構図で迷うことがあるなら、何枚も撮ってみて、後から、どれがいい構図か見比べてみてください。露出補正は0〜ー1/3くらいで試してみてください。
<作例5>
作例3と同じように、逆光での撮影です。後ろの桜の花の間から漏れる光がボケて綺麗です。この時はもれる光が丸くなるように、絞りを開放にして背景をぼかして撮りましょう。この時、カメラの露出計は後ろの光を感じすぎて暗くなるので、露出補正を+2/3〜+1. 1/3くらいで試してみてください。
<作例6>
今度は標準ズームの望遠側で、ピントが合わないギリギリのところまで寄って撮ってみました。この時は背景にあまり花等が写らないようにして、透けてくる光を表現するために露出補正を+1.2/3で撮影してみました。八重紅枝垂れ桜のピンク色を確認しながら何枚も撮ってみましょう。
<失敗例>
+1/3の露出補正では花が暗すぎました。光の透過している花は綺麗ですが、暗い花の面積が多すぎます。また背景の枝が真横に貫き、邪魔になっています。
背景はよく見て、前の花が引き立つように選びましょう。
<作例7>
少し暗めの背景を選んで、淡い色の桜が引き立つようにしましょう。ぎっしりと詰まった桜を枝を選ばず、花が少なめのところを選んで、しっとりと表現してみました。周りの環境を見て、背景を選んでください。この時は背景が暗めなので、ー2/3の露出補正でした。
桜は年に一度しか咲きません。この桜のシーズンたくさんの写真を撮って、楽しんでください。